「ちょっとセイレン。何やってんの?」
「あ・・・いや・・・その。修練・・・かな?」
修練場入り口にて、セシルとセイレンの笑顔が引きつる。
発端は数日前。

「もうクリスマスかぁ・・・」
ため息混じりに一人遠くを見つめるセイレン。
「どしたのセイレン?あー、もしかして独り寂しいって?」
「セシルか。まぁ、寂しいといえば寂しいか・・・な」
「仕方ない。私が一日付き合ったろっか?」
「じゃ、お願いしようかな。楽しみにしてるよ」
「へ?マジ?」
予想外だった。ちょっとからかうつもりで言ったのにデートすることになってしまった。
セイレン的にはOKなのかな?色恋沙汰には一生縁がないような奴と思ってたがまさか・・・
自室をぐるぐる回ったり、ベットに飛び込んだり、顔洗いに行ったり、落ち着かないセシル。
「まぁ、超絶鈍感なとこ以外は普通にいい奴だしな・・・って何言ってんだ自分!」
「いや、あのセイレンだ。ちょっと散歩くらいよね。うん。」
と言いつつ、しっかり服選びしてることに気がつく。
「年に一回の記念だし、お洒落くらいした方がいいよね。別に変な期待はしてない。うん」
動きにくい服は嫌いなのに厚手のコートを羽織り、
派手な服は嫌いなのに真赤なかわいい服を着る。ちなみにマガレから無理矢理押し付けられた一品。
首元うっとおしいから嫌といったカラフルなマフラーをし、
めんどうでロクにやったことない化粧もしてみた。
「・・・あんた誰よ・・・」
鏡の前の自分に言ってしまった・・・
「ま、まぁ、年に一回だしね」

いつもより軽い足取りで待ち合せ場所に着いたが、彼は来なかった。
場所は間違えてない、時間も合ってる。なのに彼は居ない。
遅刻?いやない。あいつは馬鹿みたいに時間に厳しい。
「まさか・・・」
修練場には鎧着て、準備運動するセイレンが居た。
「ちょっとセイレン。何やってんの?」
「あ!・・・いや・・・その。修練・・・かな?」
修練場入り口にて、セシルとセイレンの笑顔が引きつる。
「すまん!今から用意してくるっ!あ、でもその前にちょっと身体動かしていい?一日一回は剣振らないとおちつかn
「せーいーれーんー!」
「いてててて、髪引っ張るな、禿げる禿げる!」
「いっぱい奢って貰うからねっ!!」
「わかったから引っ張るのはやめっ」
「・・・ま、セイレンらしくていいか。」
「何?」
「五月蝿いっ、ちゃっちゃと外行きの服に着替えてきなさい!」
「OK。髪はまじ助けてって、いててて、抜ける抜ける」
足取りは軽いまま。
今日はブチギレないで済んだ。




修練場内にて首をかしげるセニア
「おかしいな・・・兄上はこの時間に来ると言ってたのに・・・約束破られたのかな・・・(´・ω・`)」
後日、2Fで半泣きしたMVPセニアにボコボコにされるセイレンをエレメスが見つけた。
「仲がよくて微笑ましいでござるなw」
「兄貴・・・あの死闘のどこが微笑ましいのよ」
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