ラウレルとカヴァクは正気が疑われる程度には巨乳に入れ込む馬鹿である。
例えば、Cカップ以下の全裸を見ても「ふーん」で済ませてしまうぐらい
乳を愛する大馬鹿コンビである。そんな二人なのだが、乳を楽しもうと
する度に何故か入院コースレベルの打撃を食らってしまう。

「詰まる所だ、お預け喰らい過ぎてストレスが溜まりきってるんだがどうよ?」
「全く同意だね。今日の俺はピーク時の10倍以上は見たくなってるよ」
二人共、そろそろ目が血走ってきそうな雰囲気だ。
「でだ、トリスに三人麻雀でも仕掛けて脱がせるとかどうだ?」
その瞬間、ラウレルの真横を誰かの放った筍が通過した。
「ラウレル……それは無茶過ぎる。幾らテンパッテルからって
命捨てるような選択は辞めとこう」
「……正直済まん。だが、こんな無茶すら実行しそうなぐらい
飢えてるのは事実だろう兄弟?」
「それは……否定しない」
二人共思いっきり苦汁を滲ませた表情をしている。

おお、神よ。俺たちは何かいけない事したのか?
ただ、乳についてコダワリがあるだけだろう。
何でいっつもいっつも矢襖にされたりローストにされたり
ざっくり斬られたりしなきゃならないの?
少なくとも他人の乳を揉もうとかそんな真似したわけでも
無いのにこの仕打ちは無いだろうオイ。
聞いてんのかテメエ!?いい加減にしろこの野郎!!

と、いうような叫びが聞こえてきそうな表情だ。

「つまり、ここで楽しもうとするのが間違いだったんだな」
「どういうことさラウレル?」
「正直な話、身近な連中でも無ければ”何あの連中。マジキモ”
とか、”ママー、あの人たち何言ってるのー? 見ちゃいけません!!”
とか、”目は合わせないようにしとこ”って感じで済むと思うんだ。
むしろ貧乳を気にしすぎてオーバーキルクラスの攻撃かけてくる
ウチのAA軍団とかの方が希少なんだよ絶対」
「ラウレル……それはそれで痛いよ?」
カヴァクは少しばかりそのような目で見られる事を想像してしまってげんなりした様子だ。
「けどな、升レベルのDSやらMB食らうより遥かにマシだろ?」
「それは……」
心の痛みと身体の痛み、どちらの方が上かなど結論は出ない。
だがしかし!
「そんな些細な事よりもだ、心行くまで乳を楽しめない事の
苦痛の方が上だろう?」
「当然だね」
即答するカヴァク。なんだかんだでこの2人は駄目だ。
「というわけで、俺としてはここじゃない場所で楽しもうと言いたいわけさ」
「OK、ラウレル。つまりこういうことだな?
モロクの城壁から下を見下ろして、暑さに耐えかねて胸元ひらひらする
女性の谷間を楽しむとか、つまりはそういう事なんだな?」
「その通りさ兄弟」
2人はとてもいい笑顔でサムズアップした。


というわけで、2人は本当にモロクまでやって来た。だが………

「着いた時には夜中でしたー とかマジありえねえええええええ!!!」
「クソッ!!何でいつもこうなるんだああああああ!!」
砂漠の夜は寒い。半端じゃないぐらいに。
無論、2人の思い描くような図を見られる条件はさっぱり
満たしていなかった。そして、馬鹿2人の叫び声がモロクに響き渡った。

「あーもう、何でこうなるのかなあ」
「見放されてるんだろうね。色々な物に」

特に運とか

2人は盛り場にいた。流石に酒など嗜むわけではないが、
やけ食いでもしなけりゃやってられない程度には落ち込んでいた。

「いや、マジマジ。GHって実は女性型モブが大量だぜ?」
「流石にそれは無いだろ……」
「あー、でもよく聞くよな。小柄なプリーストにMS食らって
追い出されたとか、ジェスターに襲い掛かったらヴァルキリーに
粉砕されたとかいう都市伝説みたいな話」
「それ、与太話じゃないらしいよ?」

2人の耳に入ってきたのはこんな会話だった。

「………どう思う、カヴァク?」
「確かめる価値はあると思う。大量って言うならきっと
巨乳な女性だっている筈」
「だな。そうでなければおかしいよ絶対」
おかしいのは貴様らの頭だ と突っ込みを入れてくれるような
優しい者はその場にいなかった。


そして、更に1日。2人はようやくグラストヘイムに辿り着いた。
「さて……とんでもなく広いなここ」
「じゃあ、適当に選ぼうか」
カヴァクは、矢を地面に垂直に立たせ、それが倒れた方向に行こうと
提案した。ラウレルとしても特に反対する理由は無かったので、
その方法を実行する事になった。

「で、最初はあの中央北の建物か」
「ありゃりゃ。結構遠回りする必要あるみたいだね」
だが、2日間歩き回った事に比べれば大した事は無い。

そして、2人は古城1Fにやってきた。
「ふむ……見ろカヴァク。あのジェスターだ」
「中々凝った男装だけど……ばればれ。サラシでもはちきれんばかりの乳は隠しきれてないね。
俺のカウンターは90を振り切ってる」
「中々良いスタートじゃないか」
飢えきった二人の眼力はもはやモンスター情報レベル99だ。
彼らの前には何も隠しきれない。
「げっ!!あのダークフレーム見ろよカヴァク!!」
「なんだってええええええ!?3桁!3桁ですとおおおおお!?」
それは彼らにとって正に未知の世界だった。

「あれれ?何だか青少年の熱い視線に晒されてるような気が……」
「姉さん………男に縁が無さすぎてついには幻覚まで………」
そこには久々に同姓以外からの熱視線を感じて困惑気味のお姉さんと
わりかし残酷な突っ込みを入れる男装少女がいた。

「やばっ、望遠鏡ぎりぎりの距離なのに気配ばれてるみたい」
「見つかって吹き飛ばされるなんてオチはいらねえ!!」
二人は急速離脱した。

「よし、ラウレル。次は中央の建物だ!強い反応がある!!」
「ああ、急ぐぞカヴァク!」
今の二人を止められる物など何もない。乳スカウターに戦闘力感知機能まで
追加された二人はもはや暴走機関車。




そして、やってきたのは修道院。
「OK、カヴァク。俺はとても感動している」
「俺もだよ兄弟。未知の世界だった3桁を二人もこの目で見つける日が来ようとは」
馬鹿二人は男泣きモードに入っている。で、彼らの視線の先にはイビルドルイド。

「な、何だか慣れない視線を感じますね……」
城にいたダークフレームと同じように困惑しているらしい。

「で、この先にも道があるようだが……」
「戦闘力5、戦闘力11………AA〜Bまでしかいない」
カタコンやら地下には彼らのスカウターに適う人材はいなかったらしい。

「……何故か非常に不愉快じゃな」
「おーい娘よ。ワシ、何もしてないのに何でMSを乱射されてるのー?」
とばっちりを食らうここの主がいたとかいないとか。




「ラウレル、どうやらここが最後らしいね」
「ああ、3桁とは行かずも、かなり戦闘力の高い連中が揃っているようだ」
例えるなら、3桁=フ○ーザ様、ここ=ギ○ュー特戦隊が揃っている。


「ぐ、あの深淵の騎士羨ましいぞ……」
「いい乳した従者連れてるじゃないの………」
羨ましさの余り、血涙を流す二人だった。

「何だか哀れな視線を感じるが……」
「なんというか、非常に複雑な気分ですね………」
苦笑する主従。


「ショタ巨乳メイドキタコレ!!」
「あのアルケミと立場変わりてええええええ!?」
何でアルケミがいるの?なんて疑問すら浮かばないらしい。

「うわああ、侵入者!!侵入者を感知したから出るぞ!!」
「あらあら、まだ休憩時間じゃありませんか」
こう、主従関係なのに、何か逆転してるような二人に熱い視線を送ったり。


「巨乳メイドさんは何をしても似合うな……」
「まったくだな」

「洗濯はこのぐらいにして、そろそろ掃除をしないと」
働くメイドさんをウォッチングしたり。

そんなこんなで、巨乳ウォッチングを心の底から楽しんだ二人だった。

「眼福だなカヴァク」
「なんというか、心が凄く晴れやかになったよ」
無論、SSも大量にゲット済みだ。

だが、そこで蹄の足音が聞こえてきた。
「やべっ、油断してたら深淵が近づいて来てる!」
「よし、隠れ……待て!!この気配……」
二人は、隠れようとしてやっぱり辞めた。


「転職も済ませていない後衛二人だけでここを歩き回る度胸は
誉めてやろう。だが、容赦はせんぞ」
二人は言うまでもなく深淵の騎士に捕捉された。
だが………

「な、なんてこった。あれは……」
「ああ、こいつは驚きだね……」
言うまでもなく、二人は深淵の騎士の胸の方に視線を向けている。
「おい、どうした?かかって来ないのか?」
逃げるわけでも、攻撃を仕掛けてくるわけでもなく、そこにいる二人に
不自然さを感じたのか、深淵の騎士は慎重になっているらしい。

「確かにここの上位の連中に比べれば大きいってわけじゃないな」
「そうだね。けど、まだまだ成長の余地が残っている……下手すると3桁に
届くかも知れないよ」
もはや大きさどころかポテンシャルまで捉える二人のスカウターだった。

「カヴァクウウウウウッ!!俺ここに住みたい!!!そんで毎日乳を眺めるだけの超VIP待遇もらいてええええええ!!」
そんなVIP存在するのだろうか?
「俺もだよラウレルウウウウウウウ!!ここは理想郷だ!約束の地だ!ユートピアだあああああああ!!」
とりあえず、快適そうな場所が色々混じりすぎだ。

「………とりあえず、あの馬鹿共の同類という訳か」
深淵の騎士は、それ以上何も言わずに槍を構え、思いの丈を叫びまくる
馬鹿二人に振り下ろした。





「で、わざわざ休暇取ってでかけてまで大怪我して来るわけ?」
「ラウレル……自重」
ずたぼろになって戻ってきた二人は、溜息を付く姉達に介抱されていた。

意識は戻っていないが、二人の表情はとても晴れやかだった。
青空をバックにした笑顔の如く。




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