暗き道を行くものがいる、しっかりとした足取りでただ進み続けるものがいる
「・・・・水路か?」
下にむかってスロープがついている通路を降りてきたのだが、
目の前に広がる膝下程度の深さの水路を見つけ立ち止まる
「まだ先はあるようだが・・・・見えないな・・・・」
暗く地下水には見えないほど薄汚れた水路に足を踏み入れる
防水製のブーツを履いているが染み込む水はまるで氷のような冷たさで徐々に体力を奪いつつある
目の前に巨大な貯水タンクが数個にわたりあり強力な爆発物で破壊されたのだろう
数十メートル歩き行き止まりとなる
引き返そうかと考えタンクのことを調べてから戻ろうとする
3つは完全粉砕1つが内側から外側に向かってひしゃげている
(・・・・内側から?)
最後の1つを確認しようとし深めな穴を見つけはまらぬよう足を残骸の上に乗せる
「む?これは・・・階段か?」
タンクが破壊された残骸の中で埋まっている階段のような窪みと段差を見つける
「まずは水をどうにかするか・・・・」
空気が変わったかのように魔力が集まり始めた


        *       *       *


『カタカタカタ・・・』
「カーヴァァァァァァク!」
『バターン!』
「OK、どうした姉さん、待て、時に落ち着け!」
扉を勢いよく蹴り飛ばしカヴァクの部屋に入る
壊れてしまった扉は後でハワードに直してもらおうと思う
「OKOK、こうもきれいに扉を蹴り壊してくれるとは流石姉さん・・・」
「そんなことはどうでもいいから」
「どうでもいいって扉・・・・まあラウレルに泊めさせてもらうか・・・そしたらあれを・・・
うふふふふふふ、イタイイタイねえはんやめへ・・・」
くすくすと笑っているカヴァクのほっぺたをつねりつつ
「ちょっとぱそこん使わせてくれる?」
「ちょ・・な・・・・なんだって!?」
顔面蒼白にしたカヴァクの顔を見るのは誰もいなかった


        *       *       *


二人で騒ぐローグとあっけにとられた顔のアサシンがいる
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・でなあ転職試験のときキノコ1個足りなくてなあ俺が1個分けてやったんよw」
「へぇーそうなんだ」
「・・・・・・・・・・・おい」
「どうしたエレメス?」
「何、お兄ちゃん?」
(なんだこのギャングスターパラダイスは・・・・)
思いながらも呆れ顔で二人を見ながら言う
「・・・まずなぜそこまで打ち解けているかって言うことから聞こうか?」
「でなあエレメスは・・・」
「無視するなあ!!!!」
「冗談だ、まあ話せば長くなる」
エレメスは神妙に一言一句聞き逃さぬように沈黙する
「キノコ誘拐して、泳いで、トリスちゃんに会って、ギルド行って、
シャワー浴びて、トリスちゃんと知ってそこから意気投合?みたいな」
「短か!っていうか細かいところどころで切って内容がわけわからん!?」
「クスクスクス」
「フフフフフフ」
うわ、にやけてやがるこいつら揃いも揃ってと悪漢と悪女だと内心思いながらも話を続けようとするが
トリスが泣きそうな顔しながらそれを遮る
「いいじゃない!お兄ちゃんがアサシンになってから仕送りはしてくれてたけど・・・
手紙もくれないでお兄ちゃんのこと全然知らないんだから・・・・」
「・・・すまない」
「うし、エレメスの負けな3人分おごることっと」
「なんでそうなるwwww」
「なんだ、妹の前で太っ腹なところ見せてみろよw」
「お兄ちゃんのおごりかあ何食べようかなあ」
半ば確定しつつある結果を変える為思考する
昨日渡された前金だけではつけも含めとてもじゃないが足りない
「ここは、寧ろ兄妹の再会を祝ってだな親友のお前がおごるべきだろう」
「・・・・・やーだねwww」
「おまwwww」
「じゃあいつものいっとくか」
「・・・それしかないか」
流石に今日は負けられないと思いスイッチを入れる
エレメスはカタールを取り出しスキルを使う
「・・・毒よ、我が武器に宿れ」
「今日はマジみたいだな、じゃあ俺もやる気だしたほうがいいか」
インドラは腰の鞘からグラディウスを取るが背中のバックラーを手に取るかに見えた左腕は、
ポケットに収まり、1枚の紙を取り出す
インドラはその紙を数秒に渡り凝視しポケットに紙を入れなおしやはりバックラーを手に取る
トリスは兄とほぼ同等それ以上の実力を持つであろうインドラの行動を見て疑問を覚えるが
今はただこの戦いをしっかり見ておけば自分はもっと上にいける
これだけの確信だけは持てたのだった


二人が動きを止め数秒、どこからともなくカラスが現れ鳴く
これがいつもの戦闘の合図だった
最初に動いたのはエレメスだ、短剣を投降しクローキングで姿を隠す
飛んできた短剣を短剣で叩き落し意識を少しだけ記憶のほうに傾ける
「すべてを照らす炎よ、潜む敵の姿を暴け!」
対クローキング用に用意していたサイトを使い一気に距離を詰める
エレメスは舌打ちをしながら腕を後ろに大きく振りかぶり1撃必殺の技を繰り出す
「ソニックブロー!!」
「甘い!」
動きを完全に読み盾で前方をガードしつつ左足で足払いを繰り出す
「くっ」
足を払われる寸前でサイドステップを踏み右後方にエレメスが飛ぶ
短剣を再度投降しもう一度接近しようとするエルメスを嘲笑うかのように土の中に姿を隠す
攻撃の目標を失い短剣が空を切る、目標を失ったエレメスが一瞬だけ止まる
後ろに回りこみ攻撃を繰り出す
「バックスタブ!!」
「!」
『ギイン』
エレメスは交差させたカタールで攻撃をいなしバックステップを踏む
「見たことなかったぞ今のスキルは・・・・」
「使ってなかっただけだ」
「・・・・・・わかった・・・・俺は今からお前を殺す気で行く・・・
終わったときに肉塊であってくれるなよ・・・」
無機質だったエレメスの顔がさらに冷酷に変わっていく
エレメスに会ってから7年はたつが初めて見る顔だ
「それが暗殺者の顔か・・・」
首筋がピリピリする明らかに自分の本能は危険を告げている
だがこの戦いたいこの本気のエレメスを倒してみたいというこの気持ちが抑えられない
おかげで顔が自然にニヤついてしまう
「望むところだ!」
地にエレメスが消え直ぐに攻撃が襲ってくる
「・・・グリムトゥース」
「ちっ」
地槍が襲う手前で根元から斬り捨て槍を無効化させる
ちょうどいいところにキノコをみつけ標的にする
「キノコごと、吹っ飛べ!ボウリングバッシュ!!」
キノコごと土が抉られエレメスも後ろに吹っ飛ぶ
「ちぃ」
二人が距離を詰め短剣とカタールの当てあいとなる、短剣がカタールが舞うようにぶつかり火花を散らす
攻撃の間合いから一歩も退かず盾と連撃で攻めるインドラ
まるで踊っているかのように軽やかなステップで確実に急所を狙った刺突、斬撃を加えるエレメス
短剣が飛び剣撃が交じり合い盾で防ぐ激しい音が奏でられる
激しくいてそれでいて無駄のない音楽となっていた
「そろそろ終わりにしようかエレメス」
「・・・・・そうだな」
「よっと・・・氷の女王よ、我が声を聞きいれ・・・」
紙を取り出し急に無防備になるインドラを見て一瞬反応が遅れる
「なっ」
「・・・その力、地より現れ敵を穿て」
冷気の塊がエルメスを襲う
「フロストダイバー!」
「ちょまwwwwww」
氷の像となり何もできなくなるエレメス
「OK、エレメス、俺の勝ちだな」
「おのれ、魔法とは卑怯なり・・・」
「ふんふんふーん聞こえないなあ」
「おまwww」
「わーい、お兄ちゃんのおごりぃ」
エレメスは、いつの間にかにトリスの手に握られている自分のサイフを見つける
「アレ!?」
「クスクスクス、スティールだよお兄ちゃん」
「いつの間に!?」
「じゃあトリスちゃん飯食いに行くかあ」
「はーい」
「待てwwwこの氷どうにかしろwwww」
「1時間もあれば溶けるんじゃね?w」
目をパチクリし口をあんぐり空けて呆けるエレメスをみながら止めの一言を言う
「じゃあ有難く使ってやるからじゃーなー」
「後から来てねえー」
「待てええええええここからだせえええええええええ・・・・・」
それから1時間後氷からやっと抜け出したエレメスが見たものは空っぽの自分のサイフだった



     *        *        *


すべてのことにはコインのように表があり裏がある
アサシンギルドが裏の存在であると同じようににローグギルドにも裏がある
表沙汰にはにはできず、しかし放置することのできない強大なテロ組織もしくは国家はてまた一個人
それを確実に監視しすべての情報を外には出さずただ必要であるものの元に運ぶ者たち
チェイサーギルド・・・多数の優れたローグの中から選りすぐられた者をチェイサーとする
いざと言う時には切って捨てることの厭われぬ裏の中のさらに中心部に存在する
プロンテラにたった一人でボロボロとなり逃げてきたクラウンの証言を元に隊長のグレイブ以下2名の
チェイサーとアサシンギルドの6柱の1柱の同行要請を請けこれを許可、
偵察と事実確認、可能ならば資料の回収を指示する
が地下4Fで隊長のグレイブはコピー体との戦闘により片腕を失い、以下3名も同様にコピー体と戦闘
隊長グレイブ、両腕を失い帰還した1名とアサシンクロス以外の死亡を確認した
その中で回収された1枚の報告書である



レッケンベル社上層部へ
リヒタルゼン生体研究所主任:XXXX=XXX

プロジェクト名:Meaks Of Demons

オリジナル素体名称:セイレン=ウィンザー   職業:ロードナイト
          ハワード=アルトアイゼン    ホワイトスミス
          エレメス=ガイル        アサシンクロス
          カトリーヌ=ケイロン      ハイウィザード
          セシル=ディモン        スナイパー
          マーガレッタ=ソリン      ハイプリースト
          イグゼニム=セニア       パラディン
          ヒュッケバイン=トリス     チェイサー
          アルマイア=デュンゼ      クリエイター
          ラウレル=ヴィンダー      プロフェッサー
          カヴァク=イカルス       ジプシー
          イレンド=エベシ        チャンピオン
          ****=******     クラウン

目的:上位二次職の最強、最高と謳われる13名を素体とし最高の生物兵器を作り出すこと
   
   
中間報告1:セイレン、ハワード、エレメス、カトリーヌ、セシル、マーガレッタ
      イグゼニム、ヒュッケバイン、アルマイア、ラウレル、カヴァク、イレンド
      以上のコピー体のすべての一次職状態でのコピーの完成
     *1部手違いによりカヴァク=イカルスのデータ取得ミス
    2:能力を上昇させつつ上位職業のスキル使用の耐久試験を実施
      イグゼニム以下5名のコピー体に異常、もしくは著しい身体能力の低下を確認
      上位職業への能力値上昇を断念、不具合部分の確認を急ぐ
    3:セイレン以下5名の能力値、正常、もしくは予測されたデータ以上のものを確認
      能力値上昇、それに伴い上位職業状態へのバージョンアップしたものが完成
      上位職業の能力値確認のため現在稼動試験を試行中である
    4:なおセイレン以下6名の結果よりイグゼニム以下6名の不具合を把握
      能力値の上昇とスキル使用の耐久試験許可を現在申請中

下記研究所内での記録
    ・クラウンのオリジナルの素体****=******に
     他のオリジナルの妨害などに合い逃亡を許す、目下捜索確認しだい排除をスイーパーに命令
    ・地下3Fへの冒険者と思われる侵入者を多数確認、稼動試験中コピー体との戦闘を確認データ収集および進入者の排除
     1部研究施設および4Fへの唯一の通路の隔壁閉鎖と水没、対侵入者用トラップを設置
     これによって侵入者のこれ以上地下4Fの進入不可

      以上が中間報告である。
      
      報告監査:○○○=○○○○○                 



なお、クラウンの男性は現在恋人関係となっているチェイサーの女性に命じてあるため
何かがあればアサシンギルド、ローグギルド、プロンテラ騎士団に伝わるようにしてある
彼がスイーパーに発見されないことを切に願うものである







長くなっていく気がする終わる気がしない気がする(´д`;)
やっぱり置き逃げ、見てくださってる方ありがとう 
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