ラウレル・ヴィンダーとカヴァク・イカルスは自他共に認める
親友であり、大抵は二人一緒にいる。そして、二人はある事において、同志だった。

「カヴァク、こいつを見てくれ。どう思う?」
「この突けばぽよんと返しそうな瑞々しさ……たまらんな」
二人の視線の先にあるのは、手作りのおっぱいぷりんだった。
「だろ?けどなカヴァク。これが只の形だけ真似た代物だと思ったら
大間違いだぜ?」
「まだ何かあるのか?」
「実はな、この中には 大 量 の 生 ク リ ー ム が入っている」
「な、なんだとおおおおおおおおお!?」
衝撃だ。とんでもない衝撃だ。ラウレルの姉から食らう凍結コンボも、カヴァクの姉の
怒りも、これに比べればまったくもって大したことはない。
「い、いや待てよラウレル。生クリームはいいけどな、この外観を壊すのは
ちょっとどうかと思うんだ」
「おいおい同志よ。俺がそんな事も考えないぐらい阿呆だと思ったか?
言うまでもなく、 先 端 か ら 吸 え る」
「ぐはっ」
カヴァクは吐血し鼻血を噴出したが、3秒で立ち直ると
ラウレルと熱い抱擁を交わした。
「まったくお前ってヤツはどうしようもない大馬鹿野郎だぜ!!」
「乳のためならどんな努力も厭わないのが俺たちだろう?」
「ああ、そうだな。それならこのぐらいやって当たり前だな」


そして、なんだかんだ言い合ってから、よし食おう と
思った矢先の事だった。


「ラウレル、お腹すいた」
ジャーンジャーン
「げぇっ、姉貴!!!」
カヴァクがプリンを隠そうとするが、遅すぎた。
「プリン……おいしそう」
こうなったらもはやどうしようもない。
代わりを作ろうにも、おっぱいぷりんしか考えてなかったので他の食材なんぞ
用意もしていないし、その材料も使い切った。
力ずくでどうにかしようとして返り討ちにされるぐらいなら

「カヴァク」
「ああ、判ってるさラウレル」

二人は距離を取り合い、構えた。
「せいっ!!」
「はっ!!」
そして、飛んだ。垂直に、天井ギリギリの高さまで。
「「せーの!!ジャンケンポイ!」」


そして、勝利したのはカヴァクだった。

「ひゃっほーい!!」
「NOOOOOOOOOO!!!」
明暗分かれるとは正にこのことか。
「いただきます……」
そんな二人の事なぞおかまいなしに、カトリはプリンを食べようとする。

1・「あ!!ちょっと待て姉貴!!」
何も知らない姉に正しい食い方をレクチャー 

すぐ下。

2・「畜生。あんまりだぜこりゃあ。俺が作ったのに」
落ち込んだラウレルには何も見えていなかった。

ちょっと飛ばそう。


「あ!!ちょっと待て姉貴!!」
「何?」
「いやね、そのプリンさ、中に生クリーム入ってるから普通に食おうと
すると生クリームが凄い勢いで出てくるんだよ。だから最初は先端から
生クリーム吸ってから食え」
無駄に拘りがあるらしい。
「ん、判った」
「おいおい、何やってんだよラウレル。そんな面白い事教えてどうすんだよ?」
「俺は生クリームまみれの姉貴を鑑賞する趣味なんぞ無い訳だが」
「俺は見たかったぞ」
こんな不埒な会話もどこ吹く風。カトリはラウレルに言われた通り、
生クリームをちゅーちゅー吸っている。これはこれで不健全な図ではある。

だが、更に乱入者が現れてしまった。
「ちょっと!あんた達うるさいわよ!おちおち昼寝もできないじゃない!!」
今度はカヴァクの姉であるセシルが来てしまった。
「仲が良いのはいいけどね、周りの迷惑ってもんも考えなさい……よ?」
説教が始まりそうになったその時、セシルの目に、ラウレル渾身のおっぱいぷりんが
目に入った。

何あの大きさ、ツヤ、触り心地、形まで兼ね備えたパーフェクトな胸。
あんなもん人間が持てる訳ないでしょ?つーか持っていいわけない。
うん、だめだ。あんな物あっちゃいけない。どーせ作ったのはカヴァク&ラウレルの
馬鹿コンビね。よし、殺ろう。ついでに贅沢な胸のカトリも殺っちゃおう。
うん、これは神の意思だよね。

自らの胸にコンプレックスを持つ彼女にこれは完全なる地雷だった。


「Kill them all(皆殺しだ)!」
唐突にぶち切れモードに入ったセシルが矢を乱射し始めた。
「ちょ!!何やってんだよ姉さん!!!」


こうして、切れたセシルとおやつの邪魔をされてピキピキしたカトリに
よってラウレルとカヴァクは重症を負ってしまった。

「け、結局食えなかった……」
「俺たち何か悪い事したか……?」
次からは、絶対姉たちに気取られる事は無いようにしようと誓い合う二人であった。



―――――――にゃーにゃーにゃー―――――――


「畜生。あんまりだぜこりゃあ。俺が作ったのに」
思いっきり凹んでラウレルなどお構い無しに、カトリはプリンを
スプーンで掬った。すると、中にたっぷり入っていた生クリームが
噴出してしまったのである。無論、カトリは生クリームまみれだ。
「ぬお!何つー絶景!!!」
「いーもんいーもん。次はこっそり作って一人で完食してやる」
だが、更に乱入者が現れてしまった。
「ちょっと、あんた達!少し騒ぎすぎよ!!おちおち昼寝も……ってえ!!
アンタらカトリに何してんのよおおおおお!?」
生クリーム塗れになったカトリを見て、セシルは完全に誤解してしまったようだ。
だが、カトリは空気を読まずに唇周りの生クリームを舐めて
「ん、美味しい」
などと言うのだからもう大変。
「ね、姉さん。何を考えてるのか大体想像つくけど全部誤解d」
「ま、まずは落ち着いてくれよセシルさn」
「問答無用。死ね」


こうして、二人ともぶち切れオーラモードになったセシルによって
重症を負った。


「つ、次は絶対鍵かけてやる……」
「リムーバーさん達の部屋でも借りるか……?」

だが、馬鹿二人はさっぱり懲りてなかったとさ。
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送