闇の中何かうごめく者がいる、何もない空間からチェイサーが姿を現す
「随分と広いフロアだな・・・階段は、何処にあるんだ・・・」
顔には疲れの色などなく焦り怒りに震える顔が見える
「・・・俺は追跡者だ何処までも追い掛けるさ、あの頃を取り戻す為に・・・」
まだ見えぬ先にしっかりとした足取りで歩き出すのだった


      *      *      *


エレメスが意識を無くして早5日である
「今回は、長いなあ」
「容体は安定してますわ、でもやっぱり今日も話かけても反応がありませんでしたわ」
無表情を装っているがどこか悲しそうな顔でマーガレッタが言う
「・・・・・もぐもぐ」
「・・・お茶菓子だけ全部食べるか?普通」
カトリーヌは3山はあった菓子の山を食べつくし一言
「・・・足りない」
「まだ食うか!?」
あとでハワードに買いに行かせるか・・・・と苦笑するしかないのだった


      *       *       *


いつもの荒野を見渡しエレメスがいないことに気付き何かあったときの連絡用の
昔、二人で遊んだ木を見に行く
「仕事にでも行ったかな」
余所見をし道草を本当に食いつつ木のところへ行く
「やっぱり食後はこの草に限る  モグモグ」
数十メートル先に木が見える荒野の中にポツンと一本だけ生えている木で
大きさは20メートルはゆうに超えるだろう木の幹に小型のナイフで留めてある手紙が見える
「やっぱりか」
のんびりと木に近づき手紙を手に取る
「『インドラへ、今日はギルドから簡単な仕事が入った。明日こそは勝つから首を洗って待ってろ』」
「ふっ、言ってくれるじゃねえのw」
「『PS:妹がローグになったらしいことを最近アサシンになったやつから聞いた、
先輩として教えられることがあれば頼む、あと、手を出したりしたら直々にで俺がお前を・・・・』」
ここで途切れ肯定を余儀なくされるが
「ださねえってのwwww」
親友の妹に手を出すとか俺は紳士だそんなことはしない
「うーむ」
ローグギルドに入ってからもう3年はギルドに行ってない気がする
まあ顔ぐらい見ておくべきかとギルドに行ってみることにする
ギルドは自由がモットーなのでギルドに迷惑さえかけなければ何してもいいが
まかり通ってる状態であるので10年ギルドに行ってないって言うのもざらである
「ってかそもそも場所どこだっけ?海岸の・・・・・いかん忘れた・・・」
大体のローグがこれであるからギルドの場所を変えなくても騎士団などに注意を受けなかったりするのである
やばいなあと思いつつ歩き出すと目の前に昨日勝利をくれた赤いキノコを見つける
「おっキノコはっけーんwwwインティミデイト!」
インドラはこの後2日連続同じことが続くと思ったのが間違いだったと思うのであった。



エレメスはギルドから渡された依頼書を読みビリビリに破り捨て
念には念を入れ取り出したマッチで燃やす
「『最近不穏な動きをしている○○○と言う商人が今出回っている新型麻薬に手を出していることを確認した、
内々に処分したいため捕まえてモロク砂漠の双子丘に連行されたし、抵抗すれば生死は問わない、
最近傭兵を雇ったらしいことを追記しておく』」
内容を頭の中で復唱しカタールを手に取る
いやに簡単すぎるなと思うがなんにせよ金がないので仕事をしようと考えたのは自分だ
夕刻を狙い標的が住むという情報を受けた地区にクローキングで誰にも気づかれずに近づく
息を殺し頭の中のスイッチを切り替え感情を捨て暗殺者になる
(あれが雇われた傭兵か・・・・)
1人の騎士と1人の銃使いを約200メートルくらいだろうかの距離から視認する
まず明らかに中遠距離では武器がカタールと投擲用のナイフしかない自分では不利だろう
(まず銃使いを1撃で沈める!)
クローキングで一歩づつ確実に近づき相手に反応がないことを確認する
しかし自分の攻撃範囲に相手が入る直前で騎士に気づかれたようだ
「むっ」
「どうした?」
「たぶん勘だが誰かいる・・・・そこだ!我が闘気よ、爆ぜろ!マグナムブレイク!!」
広範囲の熱気がエレメスを襲い内心舌打ちをし半歩下がりったところでクローキングが解除される
「アサシンか!」
銃使いが一瞬で両手を腰に手を伸ばしハンドガンを手にこちらに銃口を向け撃ち始める
『ドドン』
銃弾が空を切りエレメスは姿勢を低くして走りながら毒が塗られた短剣を投降する
『ギギン』
投げたナイフは銃弾に打ち落とされるが同時に放った赤き石は騎士と銃使いの間に放物線を描き落ちる
「毒よ、すべてを侵せ!」
赤い石が砕け毒の霧をまとった毒の沼が出現する
「くそ」
「しまった」
それぞれが毒の沼から飛びのき距離が開く
「スピアブーメラン!」
飛びのくと同時に精神力で作り出された槍を騎士が投降しそれをバックステップで回避する
「逃がさん!ラピットシャワー!!」
5発の弾丸がエレメスを襲うとサイドステップで避けきったと思ったが顔にかすり鮮血が走る
決着をつけるためスキルの放たれた隙にクローキングで姿をくらます。
「どこに行った!?」
「気をつけろ・・・・くるぞ!」
クローキングがギリギリ解除されない速度で走り銃使いの懐にはいる
「ソニックブロー・・・」
首の血管、脇の下、腰から腎臓、足の付け根、防具がなくなおかつ人間の急所である動脈のある場所に
一瞬八閃の斬撃を叩き込み、一瞬にして銃使いの身体を肉塊に変える
「なっ・・・くっくそ」
熟練の騎士といえど目の前で仲間がこうも一瞬でやられてしまえば恐怖におののく
「こんなところでええええええ!!」
槍を振り回し強烈な1撃を放とうとする槍が持ち手の手前できれいに分断され地に落ちる
「目撃者は残さん、・・・・死ね」
喉を切り裂き首と身体を分断、騎士の息の根を止める
断末魔の叫びを上げることなく二つの人だったものが地に落ちる
商人の男が騒ぎを聞きつけ外に出てきたところで後ろに回り首筋にナイフを当てる
「な・・・なんだ?金か!金がほしいのか!?」
「・・・・・・俺と一緒にくるかこの場で死ぬか選ばせてやる」
「ひぃぃわかった行く、行くから殺さないでくれ」



「くっそなんで湖のど真ん中に」
服を絞りつつトボトボと歩く
「へっくしゅん!まずい・・・このままだと風邪引いちまう・・・」
くしゃみをしながらずぶ濡れの服を絞り海まで歩いていく
このインドラを今見ればエレメスはすごい笑顔で「ざまあみろwww」と言うに違いない
「ローグギルドまじどこだっけか・・・・」
インティミをした上に湖を5分近く泳がされたので自分の位置、ギルドまでの距離も完全にわからなくなっていた
「・・・・・・ん・・・?」
太陽がまだ傾きかけたころであるから暑いといえば暑いのだが
ずぶ濡れの自分には気化熱によって体温を奪われ逆に寒くなっている
そんな中、昔の神殿の一部だろうか崩れかけた柱の影でぼーっとしているポニーテールの女ローグを見つける
「へっくしゅん!」
「大丈夫・・・?」
「ああ、大丈夫ちょっとキノコ誘拐したら湖のど真ん中でさ・・・・へっくしゅん!」
「・・・ギルドこっちだからついてきて」
「サンキュ・・・・」
場所を知っているようなので黙ってついていく事にした
ローグギルドの中に入り”勝手に”シャワールームに入る
文句は言われることはないなにせ誰もいなかったりするのだから
「サンキュ、あのまま風邪引くかと思ったわ」
「えっととりあえず・・・・服きてください・・・・」
「しまったwwww」
ダッシュでシャワールームに戻りタオル一丁で出てきた自分に対して自己嫌悪する
(俺はもっと紳士なんだこんなことしていいと思ってるのか?)
(ってローグの時点で紳士とか意味無いじゃん・・・俺気づくのおそ!?)
「っと確かカウンターの下の床の裏に新人用の服あるはずだから一着取ってくれないか?」
少しの間沈黙が続き
「これでいいのかな?」
見えないようにドアの影から服を受け取り着ようとする
「なんだこの網タイツ履きにくいなあ・・・・ってこれ女用やん!!」
「クスクスクスクス・・・」
(OKOK、この悪女め・・・・・)
「男のを取ってくれいや・・・まじで・・・・」
「はい、どーぞ」
今度は女用ではないことを確認して着るサイズもちょうどよかったのかしっくり来る
「ふう・・・っと別の用事できたというのに管理人すらいないってどういうことだ・・・」
「私の転職試験のあとどこかにいかれましたよー」
「・・・・・肝心なときにやくたたゲフンゲフンまあ名簿が見れりゃあいいんだ確かあの本棚の1番左の2段目・・・」
本棚を漁り今月の転職者名簿を見る

何で場所を知っているかって?転職したときについでで金目のものを探そうとしたに決まってゲフンゲフン
今月は14人が転職したのを見て多いなあと思いつつもエレメスの妹の名前を探す
「えっとたしか・・・・・・・トリス、トリスっとあったあった緊急用の連絡先はっと・・・」
「えっと私がトリスですけど?」
「へ?」
ポカーンとした顔でしばらくトリスを眺めてしまうのだった


        *       *       *


今セシルは自分の部屋のベットでポリン人形を抱きしめ座っている
さっきマーガレッタがエレメスの部屋にいるところを見ていたのである
(「・・・エレメス・・・ほら起きて・・・いつもの笑顔を見せて・・・・」)
今にも泣きそうな顔でエレメスを見ていたマーガレッタの顔をみて、
罪悪感でいっぱいになり中に入るにも入れず走って自分の部屋にまで逃げてきたのである
「・・・このままじゃ私が悪者みたいじゃないの・・・・」
しばらく考えをめぐらしカヴァクのぱそこん?だっけあれで調べられないか試してみようと思う
「よっし行動あるのみ!」
立ち上がりカヴァクの部屋に向かうのだった




はい2話目?ですもちろん置き逃げです。作者のチキンハートをお察しください(´д`;)
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