「ふむ、ここが地下3階か」
凛々しく、しかし何処か冷たい顔をしたチェイサーが炎のように赤く映える髪を揺らし入口に立つ
それまで培ってきた眼力で罠を見つけ形からアンクルスネアと警報器を繋げた物と判断、
罠とそれを繋ぐシステムを数秒で解除、手慣れた手つきでダミーをつけ直す。
「これで引っ掛かる馬鹿がいても警報器は作動しないだろう」
五つの罠をダミーと入れ替えチェイサーは闇に溶けていった。


     *     *     *

「このおぉぉぉ待ちなさい!!エレメスうううぅぅぅぅ!!」
弓を構え目にも留まらない連射をするスナイパーがエレメスと呼ばれたアサシンクロスを追いかける
エレメスのほうはクローキングとバックスステップを駆使して範囲外に逃げていく
「セシル殿、やめてwwwわざとじゃないでござるwww許してほしいでござるwww」
「許すかぁぁぁぁぁぁ!!」
いつものことだと4人がテーブルに座りことが終るのを待っている
「で、今日は何したんだあいつは」
「・・・・エレメスがハワードから逃げてるときに転んでセシルを押し倒してた」
「ああ、セシルちゃんを押し倒すなんてうらやゲフンゲフン、許せませんわ」
「もう1ついいだろうか、そこの抜け殻になってるハワードはなんだ?」
「・・・・私が罰として部屋で折檻しました」
「なるほど」


ほんの数分前の出来事である
「さあエレメスなぜ逃げる」
「今止まったら絶対にやばいでござるwwwww」
「いいじゃないか止まって俺とイイコトしよう」
止まれば息ができなくなるマグロがごとしアッーな目に合うのは目に見えている
それだけは嫌だと心に決め全力でハワードから逃げる
「来るなwww拙者に寄るなでござるwwwww」
流石に全力疾走ですでに10分いくら人より能力、体力、精神力が上回っている
とはいえど限界はある
(拙者またアッーでござろうか・・・)
(否、今日こそは逃げ切る!!)
後ろをチラリと振り返るとなんとサイトを焚きながらハワードが追いかけてきている
(ちょwwww最後の手段も封じられてるでござるwwww)
目の前に食堂に向かって歩いていくカトリーヌが見える
「カトリーヌ殿助けてほしいでござるぅぅぅ」
「・・・・ご飯食べたらね」
「ちょwwww」
今なにか食べ物持ってなかっただろうかと体中を漁るもちろん走りながらだ

毒瓶:1個獲得

(これじゃNEEEEEEでござるwwww)
このままでは折角見えた光明も闇に還ってしまう
「助かったら台所ににある拙者の分の饅頭を後で差し上げるでござるwwww」
キラーンとカトリーヌの目が輝いたように見えたが気にしないでおこうと思う
「残念だったなエレメス!!」
「何でござる!?」
「それはもう昨日茶菓子として俺がマガレにだした」
「ちょwwwwwおまwwww」
「おまんじゅう・・・・・・」
一気にカトリーヌの視線が凍りついたような気がする
やっぱり気にしないでおこう
むしろカトリーヌを頼れなくなった=逃げるしかないなわけで=ピンチが大ピンチに
いつかこの男殺すと心に誓いつつ走る
セシルの部屋の前に差し掛かったときである
急に扉が開き寝ぼけ眼でセシルが出てくる
「・・・エレメスおはyってきゃああああ」
「NOOOOOOでござるwwwww」
「うおっwww」
三つ巴になって転ぶ
加速して追いつこうと勢いをつけていたハワードは二人に足を取られ思いっきり吹っ飛ぶ
『ドーン!ガッシャアァァァァン!ドサドサドサ・・・』
ハワードが飛んでいった先ではえらい音がしたが助かったので気にしないことにする
「いたたたた・・・セシル殿大丈夫でござるか・・・?」
むにゅっと小さいけどやわらかい物体が手に当たるこれは何・・・・?
おそるおそる目を開けてみると顔を真っ赤にしたセシルと
胸の位置に行っている自分の手が見える
(トリスへ今日という今日は死ぬかもしれません)
「・・・・・・エレメス・・・」
手を急いでどかし
「何でござる!?」
だいぶ声が裏返っている大慌てなので気づくこともない
「殺す・・・・」
『ドドン』
「ちょwwwwオーラと爆裂同時wwwww」
「覚悟はいいわね?」
「できてません!待った!待って!!Wait!!
そのヒドラ、アナコンダク挿しは勘弁してくださいでござるwww!!!」
『テクテクテク・・・ガシッ』
「・・・・ハワード・・・今日はちょっと本気で怒ったからね?」
「ごめんなさい・・・待った!待って!!どこに連れて行くの!?」
『ズリズリズリズリ・・・』
「アッー!」

矢をカタールではじきつつ逃げる一方のエレメス
「アローシャワー!!」
ギリギリで回避するが猛攻は止まらないハワードのほうがましだったかもしれないとも思うが
それもそれで嫌なので逃げ続ける
「な・・・・矢で服が床に縫いつけられって・・・・・NOOOOOOOOOOO
ウギャアアアアアアァァァァァァァァァァァ・・・・・」
「決着ついたみたいねえ」
「そうだな」
「・・・・・もぐもぐ」
「・・・お前の敗因はただ一つお前は私を怒らせた」

セシルの本気の攻撃を受けなおかつ生きているのが不思議なくらいである
体中が本当の本当にボロボロであるのは言うまでもない最終的に栗のイガ状態にまで矢を撃たれ
セシルが満足した後のマーガレッタのサンクチュアリで何とか命をつなぎとめた
しかしエレメスの意識は戻らない
最初はあいつが悪いのよと思っていたセシルだったが3日も意識が戻らないというのは
流石に目覚めが悪い
「はやく起きなさいよ・・・・バカ・・・・」


     *     *      *

「エレメスー」
「よおインドラ」
「今日はいいもん盗ってきたんだが食う?」
右手で赤く美味しそうなリンゴを差し出し左手でリンゴをかじる
「もらっとく」
にやっと笑ったインドラと呼ばれたローグはリンゴを投げて渡す
「相変わらずいい腕してるよな」
「向こうがトロイだけw」
「それもそうか」
荒野の中心地よい風が吹く中二人で他愛もない話で時間を潰す
「さてと、今日のおごりをかけてやるかw」
「今日は負けないからな」
エレメスはカタールを取り出し
インドラは短剣とバックラーを取り出す
「わりいけど、今日もそっちがおごりだw」
「なめるなよ、今日という今日はそっちにおごらせてやる」
カラスが現れ鳴き始めると同時に二人は動き始める
エレメスは冷たき暗殺者の目を
インドラはすべてを嘲笑うかのような強者の目で
一閃二閃カタールの軌道を読むがごとくすべて避け盾で防ぎ短剣の間合いに持ち込もうとする
絶えず距離をとり自分の得意な間合いで必殺の1撃1撃を叩き込んでいく
「ソニックブロー!」
『ガギギギギギガギン』
盾と短剣ですべての斬撃を防ぐ
「あっぶね、にゃろ」
「毒よ、我が太刀筋を隠せ!!」
「うほwww」
盾で毒の霧と直接打撃を同時に放つインベナムを防ぎきりできた隙に攻撃を放とうとする
「そっちがその気ならこっちにも考えがあるぞ」
攻撃の溜めをみてエレメスが身構える
「ボウリングバッシュ!!」
「うわっ」
エレメスが吹き飛びすらりと体勢を立て直す
「どこで覚えたんだよそんな技」
ふふりと満面の笑顔で言う
「こないだちょっとノービスの女の子にちょっかいだしてな、その兄貴に吹っ飛ばされた時に
この技ありゃいろいろいけるんじゃないかってなちいとテクだけ盗んだってわけだ」
「まったく物好きめ」
「まあそう言うな」
こうやって手合わせで繰り出される他職のスキルを見ているとどこで覚えるんだかという疑問が
ふつふつと出てくる。今まで見たことがあるのはバッシュやメマーナイトなどの物理系が多い気がするが
本人曰く「魔法の詠唱は覚えるまでがめんどい」だそうでその気になればウィザードにも負けないだそうだ
戦ったことのない相手とどうタイマンを張るのだかと思うエレメスだったが
今の状況を覆すスキルはいくつかあるが絶対に勝てるというものではない
(今後のためにとっておきたいなあ・・・)
「さあどうするエレメス」
「じゃあここは酒場まで先に行ったほうが勝ちで」
「ちょwwwwおまwwww」
そんなことを言っているうちにバックステップでエレメスは高速で行ってしまう
「ぬあー卑怯者!!」
彼の絶叫が荒野に響くのだった


酒屋についたエレメスは息を呑んだ
荒野に置いてけぼりにしたはずのインドラがカウンターに座っているのだから
にやにやして座っている彼の腰に挿さるそのグラディウスと背中にかかっているバックラー
まさしくインドラの物しかしあのケチのインドラがハエを使うはずがない
「エレメスの負けな今日はなに食おうかなあ」
「いったいどうやって・・・」
「いやあキノコ見つけて誘拐したらよちょうどここのまん前w」
「な、なんだってーwwww」
「キノコ様々だなあってわけでおっちゃんキノコと猪肉のソテーを」
「おうよ、エレメスは何にする?」
いつもここで飯を食べているのでここの主人とはかなりの長い仲である
「・・・・水だけでいい」
知り合いの酒飲み達が大笑いしている、
ここ4日連続負けているエレメスとしてはたまったもんじゃない出費だった
「サービスだ」
あまりにエレメスの悲惨さに耐えかねたおっちゃんがキノコと猪肉のソテーをだしてくる
「・・・恩に着る」
「まあ、つけにしといてやる」
「金取るのかよwwwww」


     *     *     *

「エレメスが目を覚まさなくなって4日目か」
「・・・きっとマガレが起きなさいって耳元で言えば起きる」
「それはないんじゃないか・・・?」
「あら?それはもう毎日やってますわよ?」
ポカーンとした顔でセイレンとハワードがマーガレッタを見る
「とりあえずセイレン」
「なんだ?」
「や ら な い か?」
「やめるか死ぬかどっちがいい?」
とてもいい笑顔でエクセキューショナーを抜いたセイレンが言う
「ゴメンナサイ」
「・・・ハワード・・・私も怒るよ?」
「ゴメンナサイゴメンナサイ、待った無詠唱SGはやめて・・・ギャース」





何話になるか未定っていうか置き逃げする自分(´д`;)
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