「ラウレル=ヴィンダーの受難」

その日、俺はあるものを前に動揺していた。
あるものとは…姉であるカトリーヌ=ケイロンの衣類である。
それは何故かと言うと…

数分前の出来事

「どーしたんだねーちゃん、いきなり部屋に呼び出すなんて。」
「うん…風邪ひいちゃって…それでお洗濯頼もうかと…ケホケホ…」
「ねーちゃんが風邪とはまた珍しいな。ところで、なんでまた俺なんかに…他に頼みやすい人がいるだろうに。」
「皆忙しそうだから…それに、あなたにならいいかなって…」

ということがあったからだ。

(あーくそ、あんな目で見られたら断れねーっての、どうするよ俺…今更誰かに頼むのもなんだかなぁ…)
その時、ラウレルは悩みすぎて背後の気配に気づく余地がなかった。
「おや、そこにいるはラウレルじゃないか。どうした、そんなにぼーっとして。」
カヴァクだった。いつものような調子で近づいてきた俺はヤバいと思った。
「ま、待て。こっちに来るな。あ、馬鹿それ見るんじゃねぇよ。」
「お前、いつの間に下着ドロボウなんかしたんだ。まぁ、それはそれでGJな話だ。しかし、俺に何も言わないなんて水臭いじゃないか。」
「落ち着け、俺はただ頼まれただけだ。つか何がGJなんだよ。俺はねーちゃんに洗濯しろって言われただけだ。」
「む、そうなのか。それは残念だ。」
何が残念なんだよ、と心の中で突っ込みつつ俺は呟いた。
「よかったらお前も手伝ってくれよ、俺は洗濯機なんか使ったことないんだ。」
「OKわかった。その代わりと言ってはなんだが、その下着をくれn(ゴキャ」
全力で殴っても平気な顔をしてるカヴァクに呆れつつ、洗濯物を放り込んだ。
「なくなったら真っ先に疑われるのは俺だろうが、全く…」
「フッ、いつの間にかなくなったと言えばいいだけさ。というわけでゆずってくれ、たのむ!」
「だが断る!」
「お前も商売上手だな。もしかしたらアルマ以上かもしれん。で、いくら出せばいい?」
華麗にスルーしよう。俺はそう心に決めた。全力で決めた。
「そこの洗剤取ってくれ。」
カヴァクは渋々といった表情で洗剤の入った箱を取り出しつつ、言った。
「まぁ、下着の件は不問としよう。だが、少し嫌な予感がするんだ。」
「…なんだよ?」
「俺が来る前、エレメスがニヤニヤしながら去っていくところだった。」
「な…」
時が止まるなんて表現は漫画の中だけ。そう信じていたときが俺にもありました。
事実、時が止まった気がした。むしろ心臓が止まった気もした。ここに向かって足音がしてるのも俺には気づきようがなかった。
気がつくと、そこには2Fメンバーが勢ぞろいしていた。
(あぁ、走馬灯が見えるよねーちゃん…)
「ラウレル、見損なったよ…そんな変態だったなんて…」
「ま、待てトリス。違うんだ…これは…」
「問答無用、その性根を叩きなおしてあげます。」
その、なんだ。セニアが爆裂してるのは気のせいですか?
「誤解だぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!!!」


俺が意識を取り戻したのは2日後だった。
トリスは笑いつつ
「ごめんねぇー、エレメスが誤解するようなこと言うもんだからさー?」
セニアはひたすら平身低頭しつつ
「ごめんなさいごめんなさい」
と言っていたのがせめてもの救いか…
俺が気を失っている間にカヴァクが説明してくれていたようだ。
もう金輪際洗濯物はしたくないなと俺は思った…



後日、生体研究所2階にて所々焼け焦げ、顔が無残なまでに変形し、「私は変態です」と書かれたエレメスが
見つかったらしい。

END


あとがき

下着ネタに便乗させていただきました。萌えを形にするのは苦労が耐えませんね。
これが見て自分の萌えや燃えを吐き出すきっかけになれば幸いです。
最後まで見てくださった方、どうもありがとうございました。こんなものでよければまた機会があれば投下したいと思います。
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