「あ…、いや…いや…っ!」
 リヒタルゼン生体研究所三階。その片隅で小さな悲鳴と血飛沫が上がる。
 声の正体はまだ若い女性。服はぼろぼろに破かれ、床に倒され馬乗りにされている。あちこちに致命的な傷があるのにまだ動けるのは、さすがハイウィザードカトリーヌと言ったところか。
 カトリーヌの上に乗っているのはまだ若い騎士だった。見るからに高そうな装備を身に纏うその男は、いやらしい目つきを隠そうともせずに胸、そして足の付け根へと視線を落とす。
「やれやれ、偉大なるハイウィザード、カトリーヌもこの盾の前じゃただの雑魚だな。
 高い金出して買った価値があったってもんだ。」
 騎士が持つ盾のスロットに刺さっているカードは黄金蟲カード。魔法を無効化する、最高級のカードだった。
「…私を、どう…するつもり…?」
カトリーヌの怯えたような瞳、扇情的な格好、そして自らの優位性。すべてが騎士の逸物を興奮させる。嗜虐心が鎌首をもたげる。理性などはすでに消し飛んだ。
「ギャハハハ!わかってるくせに聞くんじゃねぇよ。犯すんだよ、人間相手にはできないような犯し方をしてやるよ!」
言うが早いか、騎士の手はカトリーヌのわずかに残った服を思い切り破り捨てた。
「いや…やめて…あ、…助けて、助けてぇ…ぐぅっ!?」
「うるせえよ、黙ってろ。」
馬乗りの状態からカトリーヌの鳩尾へと膝を落とし込んだ騎士は、そのままカトリーヌを引き起こして四つんばいにさせる。
無理やりな体勢で秘所を外気に触れられたカトリーヌは、思わず括約筋に力を入れてしまった。その筋肉の動きが騎士の目に触れる。
「なんだ、おい?期待してんじゃねぇのか?とんだ淫乱だな、期待はずれもいいところだぜ…まぁいい、これくらい楽勝で入るんだろ?」
騎士が何かを挿入する。その直後、カトリーヌは絶叫した。
それもそのはず、騎士は篭手をつけたままの指をじわじわと進めてきたのだ。
冷たさ、おぞましさがカトリーヌの背筋を駆け抜けていくが、それで終わりではなかった。
一瞬騎士は射し込む指を止める。ようやく終わりかとカトリーヌが安堵した瞬間、騎士は手首までを一気に挿し込んだ。
「あぁぁぁぁぁぁっ!」
 無理矢理広げられるヴァギナからは少なからぬ鮮血があふれ出し、床に垂れていた他の血と混じる。
「篭手を丸ごと飲み込むってのは、ずいぶんと準備ができてるじゃないか?毎日他の男たちのモノでも咥えてやがるんだろう?」
 前へ、後ろへ、子宮へ拳を突き出すように乱暴に手を動かすたびに、普段の物静かなカトリーヌからは想像できないような悲痛な声が上がる。やがて騎士が右手を引き抜いたとき、篭手は真っ赤に染まっていた。
「おい、俺の篭手をこんなにしたのはどこのどいつだ?言ってみろ!」
「…あ、あ…あぁ…」
騎士の怒声にカトリーヌは答えられない。彼女の中にはすでにこの騎士への恐怖感がしっかりと根を張っており、四つんばいのまま、身体をできるだけ小さく丸めて次の暴力へと備えている。
「ふん、答えは尻に聞けってのか!?」
「あっ…!きゃぁっ!」
 尻を蹴飛ばされ床に転がったカトリーヌが見たものは、すらりと鈍く輝く鋼の短剣を抜いた騎士だった。
(あ…もう駄目…殺される… みんな、ごめん…なさい…)
 死を覚悟してカトリーヌは目を閉じる。だがこの邪悪な騎士が短剣を当てたのはまたしても彼女の秘所。
「…え…?」
 冷たい感触に思わず目を開けてしまう。先ほどの篭手よりは小さいが、今度胎内に入れられるものは刃物。全身の血が不足し感覚を失いつつある状態で、するすると入ってくるその不思議な感覚だけが妙にはっきり感じられた。
「ふん、さっきの篭手を突っ込めるような淫乱は、このグラディウスでイっちまいな。二度と男とヤれない身体にしてやるよ!」
 騎士の手が、短剣が、今まさにカトリーヌの膣壁を抉り出そうと動いたその瞬間に、
「スピアブーメラン!」
心配のあまり見回りに来たロードナイトセイレン=ウィンザーの投げた槍が騎士の右肩に命中し、その動きを止めた。
「騎士の風上にも置けぬ奴め!婦女子に暴行を働き、己の修練すら怠るようなものには、この私が自ら制裁を加えてやろう!」
セイレンの口上に逆上した騎士は、それから30秒もしないうちに地に伏せた。

「カトリーヌ!カトリーヌ!しっかりしろ!」
「…あ…、セイ…レン? わた…私、…」
「喋るな!今マーガレッタを呼んでくる!死ぬな!生きろ!」
「もう来てますわ、…なんと、酷いことを…」
「セイレン…わたし、私、セイレンのこと、好きだった…」
「過去形で言うのはおよしなさいな、ハイプリーストの誇りにかけて死なせはしませんわ。」



後日。
療養のためにベッドで寝ているカトリーヌを見舞ったセイレン=ウィンザー。
「カトリーヌ、具合はどうだ?」
「…セイレン…」
「身体の傷はマーガレッタに治してもらっても、心の傷はそうはいかないだろう…私の不注意だ。すまなかった。」
「…。 …ね、セイレン…あの時、私が…セイレンに言ったの、憶えてる…?」
「…?あ、ああ…」
「これからも、ずっと、ずっと…好き。…ずっと、ずっと、ずっと、好き。」
「…面と向かって言われると、さすがに面映いな。」
「だから、まずは…」
「まずは、どうする?」
「おなかが、減った。」
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