お前の魔力は我のもの

お前の感情が溢れる時、

我は必ず姿を現すであろう

お前の前に






カトリーヌは目を覚ました。

ベッドにまでシミを作る程の汗をかいている。
またあの夢を見た。
昔の私に語りかけるゲフェンの悪魔。
どうして忘れることができようか。
あの空虚な時間の流れを断ち切った悪魔を。
あの悪魔と対峙しているときだけ、
自分は生きている
と実感していた。
恐怖と絶対的な死を与える悪魔に魅入られてしまったのは
あの溢れる魔力のせいだけではなかった。
人間の悪意を集結させたような魔力の渦。
それを綺麗だと思ってしまった自分は
もうそのときから
人間ではなかったのかもしれない。



果てしなく続き始めそうになった思考を無理やり切断して、カトリーヌはふぅっと息をつくと、横に
寝ている大切な人を起こさぬようにそっとベッドを抜け出す。
が、途中で力強い腕に引き寄せられてしまった。
「・・・起きてた、の?」
小さく呟くと、声を出さずに首を縦振ってきた。
「ちょっと、汗かいたから・・・シャワー浴びてくる」
「・・・行くな」
その言葉にカトリーヌは一瞬息を飲んだ。
逝くな
と聞こえてしまったのだ。
いつもなら力強いその腕と技で侵入者をひれ伏せさせる彼の、ちょっとした子供っぽさを見て微
笑えみ、自分の思考の奔放さに呆れてしまう。
「大丈夫・・・どこにも行かないから」
そういって額に掛かっていた髪を優しくかきあげてキスを落とす。
柔らかい彼の髪がカトリーヌの指からサラサラと零れた。
この研究所に来て、初めて安息を得られた場所。
彼の瞳、彼の腕、全てがカトリーヌを安心させるものだった。
言わば、精神安定剤のようなものか。
柔らかい彼の髪をそっと梳きながら、またカトリーヌは綺麗に微笑む。
頃合を見て抜け出そうとはするものの、意識はもう夢の淵のはずなのに、彼の腕はしっかりとカトリ
ーヌを捕まえて離さない。
シャワーはまた後でいいかな・・
そう思いながら、もう一度シーツに包まる。
今度はあの悪魔の夢を見ることのないよう、カトリーヌは自分を包んでくれる暖かい腕の主にぎゅっ
と抱きついた。





初SSです・・。
スレタイに元祖DOPって名前をみて電波受信。
カトリのお相手はとりあえずご想像にお任せしまs
設定だけはでっかくなっちゃってますので、
続きとか希望の人いれば書くかもしれないです。
読んで頂き、ありがとうございました。

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