侵入者との戦いは、予想以上に負傷したらしい。
「……いたい…」
つぶやいても痛みは変わらない。
両サイドに結い上げて纏めていたはずの髪はほつれ、淡い金髪が視界を邪魔している。

足元が覚束無い。…血が足りていないのだろう。
手持ちの回復剤は使い果たしており、これ以上はマーガレッタ=ソリンの癒しの力を借りなければ、直ぐには癒えることは無い。
急ぎ手当てをした方がいいことは、判っているのだけれど。
ぼうっとした頭で考える。
マーガレッタの部屋へ行けば手厚い看護―と、どう答えたら良いか解らない歓迎も込みだが―をしてもらえて、
お腹が空いたと言えばこのメンバーで一番の料理上手のエレメス=ガイルの手料理が山ほど運ばれてきて、
咽喉が渇けばハワード=アルトアイゼンのカートに仕舞われた逸品が少々長い薀蓄と共に供され、
食堂に来ない自分をセシル=ディモンが心配して様子を見に来てくれるのに。
以前怪我をしたときの周囲の反応を思い出して、怪我も嫌じゃないなと思ってしまった、くらいの。
思い出して我知らず微笑んだその顔は、普段の白さを通り越して蒼白だ。
もう一度あれを体験したいなら、マーガレッタの部屋へ向かわなければと考えているのに。
……歩くの…面倒…
赤い法衣の女性の怒った顔と、セイレン=ウィンザーのお説教が頭の片隅でちろりと浮かぶ。
…ごめんなさい、を、どうやって伝えよう。騎士団の隊長を務めていた彼は、個人研究で過ごしてきた彼女にとって全く知らない
切り口で説教をする。生真面目なセイレンの説くお小言は初めて聞く新鮮さと、それに縛られているのだろう彼の生き様が
感じられて、カトリーヌは嫌いではなかった。マーガレッタ以外のメンバーはあれが嫌じゃないのか、と驚き眉を顰めるけれど、
案外面白いものだ。…この姿勢自体が、説教の対象になるのだろうと薄々理解はしている。
夕飯、抜きになっちゃうかな…。もしかしたらエレメスかハワード相手に戦いを訓練されるかも、しれない。
あ、今日の料理当番はハワードだっけ…
ぐるぐる回る思考回路は、段々軌道がずれていく。それが解ってるのに修正するのも面倒になってしまった、それくらい、
「痛…い…」
声に出したのか胸中でつぶやいたのか、自分ではそれがどちらなのか解らなくなっている。
あれ…?
酷い貧血に立っていられなくなり、カトリーヌ=ケイロンはそこでしゃがみこんで、壁にもたれ掛かった。
動かなくなった彼女を、薄緑色の照明が柔らかく照らしている。



この研究所に残る、某研究の成れの果て―成功か失敗かは知らないが、自分達は存在し。名声を求める者や彼らの所持している、
冒険者にとっての垂涎の一品を狙う輩と対峙している殺伐とした日々を送る。
けれどそんな毎日の中にも生活は、ちゃんとあって。

「カトリーヌ殿はまだでござったか」
いきなり声が聞こえる、感覚。
「っ、いつもいつも、驚かせないでよ!」
「…すまないでござる」
気配を微塵も感じさせること無く、ここ、食堂へ入ってきたのはエレメスだった。間髪を入れず、少女が文句をつける。
セイレンの隣の椅子を引きながら、既に着席している2人の女性へ軽く謝る―それは毎日毎回、行われているある意味の
スキンシップ。
セイレンは黙ってそのやり取りを聞いている。微笑ましいと思う反面、絶対に自分はやら無いぞと堅く誓うのは毎度のこと。
彼の心中を見透かしたような微笑が、斜向かいの席から投げられたが、そ知らぬふりを貫く。これも、欠かされたことは無い。
「まったくもう…!で、そっちに行ってたんじゃ無いんだ。―マーガレッタ、やっぱり居ないみたいだよ」
「そうね…。カトリーヌがご飯の時間なのに居ないなんて……。どうかしたのかしら」
「まさか腹時計が狂ったとか?―いや、そんなこと有り得ない」
セシルは小さな唇を尖らせ、確信をもって首を左右に振る。癖の無い真っ直ぐな髪が、その仕種に併せて揺れた。
「そうすると、本当にどこに行ってしまったのかしら」
マーガレッタは少女の言葉に応え考え込む。考えながらも隣に座る少女の乱れた髪をに手を伸ばした。
彼女の髪はセシルの栗色に近い程濃い金髪よりは淡く、柔らかい癖がついているので手触りのいい少女の髪が大の
お気に入りだったりする。なので直しがてら、そのまま梳いていた。
「まだ盛り付けしない方が、良さそうだな」
薄桃色の地に小さな花の柄がプリントされたエプロンを、堂々たる体躯に掛けて夕食の準備をしていたハワードは
弱火に掛けたままの寸胴鍋を見て小さく嘆息した。もしカトリーヌが食べないなら、ここに居る全員がお腹を壊す覚悟で食べたって
余る量を用意していたからだ。
あの細い体の、一体どこに入るのかと思うほどにカトリーヌは食べる。良く食べる。いや、兎に角食べる。2人の女性達とは
比較にならない量を、3度の食事毎に消化する。
セイレン自身も食べることは好きだが、うっかり気を抜くと筋肉が弛む気がするので、案外気をつけていたりするのだ、これでも。
いつだったか、太らないのかと訪ねてみたところ「…秘密」と言われ、綺麗な黒曜石のような瞳が笑っていなかったので
答えを得るのを断念した覚えがあった。
食事係の意見が最優先されるのは承知の上で、エレメスが訴えてみる。
「先に食事をするのはどうでござるか。カトリーヌ殿も案外、匂いにつられて来るやも」
「もうちょっと待ちなさいよ」
「皆、揃ってからの方がいいでしょう?」
想像通りの、即座の否定。エレメスなりにカトリーヌを分析したからこその、台詞だったのだが。
「…悲しいでござるよ…」
呟いても歯牙にも掛けられない。
…何時ものこととはいえ、さみしいでござるよ…。胸中ではハンカチを噛んでたりするエレメスだった。
セイレンとしては、カトリーヌを呼ぶにはもってこいだと思ったのだが、女性2人の態度に実行の提案を断念して立ち上がった。
「幾らなんでも遅いな。探してこよう」
「あ、私もっ」
次いでセシルも席を立つ。残った3人も小さく頷きあい、ハワードはエプロンを外し、エレメスとマーガレッタは立ちあがる。
「ならばセシルは東側を。俺も共に行く。ハワードは南、エレメスは西、マーガレッタは北側を見てきてくれ」
「おっけー」「解ったわ」「心得たでござる」「了解」
マーガレッタには女性一人を運べる力があるが、セシルには任せることが出来ない。
その暗黙の諒解の元でセイレンは指示を出し、彼らはそれに沿って食堂から散っていった。



「敵でも来てたのかな」
「警報は鳴らなかったけどな…。もしかしたら居たのかもしれないな」
セシルの後ろを、見落としが無いか確かめながらセイレンは進む。
小部屋を幾つか回った後に、前を進む少女が鋭い声を上げた。
「セイレン、あれ…!」
弓手の彼女の視力は彼らの中でも随一のもの。セイレンには黒い塊としか見えなかったそれがカトリーヌだと、
少女は一瞬で見てとったのだ。
駆け寄った2人が唸る。
「運ぼう」
傷の具合を看るどころではない。カトリーヌの周囲は血溜まりになるほどで、そんな彼女の容態は極めて危険のはずだ。
セイレンはなるべく動かさないように、壊れ物を扱うように、そっと抱き上げる。
抱き上げた女性からは濃い血の匂いがする。慣れている筈の匂いなのに落ち着かない。顔を寄せ呼吸音を確かめる。
と、微かな吐息の音。
凍りついたように動かないセシルに、―むしろ自分自身に言い放つ。
「息がある―、急ぐぞ!」
少女はその声に篭められた気合に弾かれた様に、動き出す。
カトリーヌは、セシルのような細さとは違うものの傍目にも華奢な身体だった。けれど活気があって、
魔法のスペルを描く指は踊っているかの如き力強さを帯びた滑らかさだった。
魔法とはこういうものなのかと、魅入ってしまったのはセイレンだけではなかっただろう。
ゲフェンでも屈指の魔力を持ち、強力な幾種類もの魔法を自在に操る彼女は、その才能に嫉みを抱いたものからは
「冷血な魔導師」と評されていたようだった。工房をその街に構えていたハワードが、ふとした折に質問すると
「…面倒だったの」と答えたらしい。敢えて否定をしなかったのだという。
同じ魔法使い同士での交流は一切、持ちえなかったようだった。
しかしこの研究所での彼女は場を和ませる茶目っ気を持ち、セシルと笑いあう姿がよく見受けられた。
そしてセイレンから説教をされると解っているだろうにわざわざ悪戯をして、
次は何を言うの?
頭二つ分くらい下方から興味津々の表情で此方を見つめてくる―黒曜の双眸に吸い込まれそうだった。
負けないように、と気を引き締めて説くい小言の途中で―更に長引くことは予想出来るだろうに―逃げ出す彼女。
その場になんとも言えない好い香りを残して…。
それなのに。腕の中の人の肌は冷たくて、あの香りも残り香も感じられなかった。ただただ、血臭がするだけ。
改めて侵入者への怒りがこみ上げてくる。
「―マーガレッタ、カトリーヌ見つけた!怪我してるの…そっち行くから!手当てして!」
セシルは壁に備えられた伝声管に切羽詰った声で火急を告げ、先導するべく歩き出した。が、心配なのか、数歩進むごとに
振り返って騎士の腕の中の女性を覗き込む。
「…ひどい…!」
振り返った何度目かの時、少女の碧眼が歪んだ。魔法使いの羽織っているローブの袷が開かれ、露になった傷口が見えたのだ。
少女の声にセイレンも腕の中へ目をやる。
滅多に見えない―彼女は普段はローブの袷を解かないので―胸部の中央から腹部に掛けて、袈裟懸けに斬られている。
時間が経過しているのか、彼女の身を包む衣装は黒く変色していた。
「…っ」
斬られた部位から肌蹴ていて見えてしまった―細いのにどうしてとセシルから文句をつけられている―カトリーヌの双方の
膨らみを目の当たりにし、焦った。それどころじゃない現状と、視線を奪ったそれとで頭が軽く沸騰する。と、
ドン。鈍い、腹の底から響く音ならぬ音と共に、前を歩くセシルがその身にまとう空気を変えた。
「来た…!」
弓手の少女には侵入者が察せられたようだった。セイレンも瞬時に意識を切り替える。が。
「セイレン、行って!カトリを!―早く!」
矢を番えた弓を手にし、振り返らずに言葉を投げて彼女は駆け出した。
このような局面、通常ならセシル一人で対峙させることはしないが、今は場合が場合だけに任せるしかなかった。
「頼む…!」
遠くで始まった剣戟と矢の飛来する音の競演を聞きつつ、セイレンはマーガレッタの元へ向かった。



「セイレン殿!こちらでござる!」
伝声管で伝わったセシルの言葉を受けて、他方に散っていた面々は準備をしていたらしい。
セイレンの姿を見るや否や、エレメスが扉を開いて呼びかけてきた。
走りこみたい衝動を意志の力で抑えつけ、セイレンはその部屋へ飛び込んだ―腕の中だけは揺らさずに。
「寝かせて!」
日頃滅多に取り乱さない、赤い法衣の女性も今ばかりは必死の表情だった。全ては彼女に掛かっていると言っても過言では
なかったからだ。緊張にその良い形の唇は震えている。
セイレンは白いリネンの中央にそっと、腕の中の女性を横たえる。発見から今までの短時間だけで、両腕は真っ赤に染まっていた。
間に合ってくれ。
蒼白から土気色に近くなった頬に掛かった、カトリーヌの髪をそっとかきあげる。何となく離れがたくて、そのまま片膝を付く。
反対側にはマーガレッタが陣取っていた。呼吸を整えて神の奇跡を願う準備をしている。
中央に設えられたベッドは、今のために手近な部屋から運び込んだらしい。
この部屋自身は、普段は何も無い単なる空間に過ぎなかった場所だったから。
運搬をしたのであろうハワードは、部屋の片隅に腕を組んで難しい顔をして立っている。
「マーガレッタ…」
「ええ」
癒しの奇跡を願う彼女への心配か、その奇跡を受ける女性への心配か。ハワードの声は、どちらへのそれとも取れた。
「いくわ」
月のような静けさを湛えるマーガレッタの精神力が高められる。カトリーヌを見る瞳に篭められたのは奇跡の成功を願う思いと、
助かって欲しいと願う想いと。綯い交ぜの思いは、新緑色の瞳を更に深める。
「―聖なる願い 光よここへ 失いし力を癒したもう 父なる神よ、どうかその御力を授け給え―」
刹那、真っ白な光がカトリーヌを包み込み、そして消えゆく。
見守る3人とこれ以上無く集中したマーガレッタの視線の先、魔法使いの身体を裂いた傷口は跡形も無く塞がっていた。
治癒の成功は呼吸が穏やかな寝息に変わったことで解ったが、少々の傷であれば、癒えたと同時に意識を取り戻すはずなのに、
彼女は未だに深い眠りの底に落ちている。
「良かった…。けれど失った血が多いのですわね……。体調が戻るまで暫く掛かるかもしれませんわ」
安堵の息をついた法衣の女性は、血の気の戻ったカトリーヌの格好を見ると、おもむろに上掛けを広げた。
注がれる視線は好奇の類ではないが、晒していてよいものでもない。
カトリーヌ自身の意志がなくては、あってはいけないものですわよね。
「私はカトリーヌを着替えさせますわ。男性陣は出て行って下さいね」
マーガレッタの声を契機に、3人が強張った身体を動かす。我知らず、治癒の呪文の成功を息を詰めて見守っていたらしい。
「ああ…。お疲れさん」「姫も、早めに来るでござるよ」
ハワードとエレメスは小さく笑い合うと部屋を出る。1人片膝を付いたままセイレンはその場を動かない。
「…セイレン、着替えが見たいのですの?」
「いや、すぐに出る」
深い安心感に身体が直ぐには動かなかっただけなのだが。
言われた言葉は騎士として有るまじき行為、意志とプライドを以って足を動かす。
微笑んでいるマーガレッタの新緑の瞳は、表情とは裏腹に全然笑っていなかった。訳も無く寒気を感じ、そそくさと部屋を出る。
この役得は私のもの、邪魔はさなませんわよ…などという彼女の意志は、幸いながらセイレンには察せられなかった。
「セシルと一緒に食事を始めていて下さいね」
追い出された背中に飛ぶ声。
セイレンは先に部屋を出て、廊下に居た2人と合流し。誰からとも無く、よかったと呟いて食堂に向かう。
誰も居ないと思った食堂に戻ると、侵入者を撃退した少女が不安げに佇んでいた。
彼らと目が合った瞬間、携えていた弓を放り出す。
頭半分ほど高い位置にあるエレメスの襟に掴みかかって様子を尋ね、助かったという答えを聞くと、彼を放り駆け出していった。




数日後、目を覚ましたカトリーヌの第一声は。
「………お腹すいた…」
予想が的中したと、彼女を囲んでいた5人が笑う。しばらくは安静にしなくてはなりませんわ、とマーガレッタからは珍しく
厳命されたのでカトリーヌはベッドの中に包まっていた。
2、3日は5人全員が傍に付いていたけれど、日が経つにつれて人数は減り、今では1人になる時間も多かった。
警報は頻繁に鳴っている。
身体は万全ではないが、もう動ける。自己判断だが自分の身体は自分が一番わかっているし。
床に足を着いたその時に、鋭い声が、した。
「……行かなくちゃ…」
「どこへ行くんだ?」
「…セイレン…」
後ろ手に扉を閉めてやってきた彼は、厳しい表情だった。
怒られる…、と思ったカトリーヌは慌てて床に着いていた脚をベッドへ押し込んだ。
何故か何時もと調子が違う、そんな風に感じたから。
「私…大丈夫だから…」
「まだ大丈夫じゃないだろう」
声音に含まれた微かな、苛立ち。大股でベッドへ近づくとカトリーヌの真横に腰を下ろして彼女の顔を真っ向から見据える。
あ…座ってしまえば、視線、ほぼ同じ位置…。今はどうでもいい、そんなことに気付いた。
「何故呼ばなかったんだ」
「………」
これまで、彼らの中では戦った内容について触れることはあっても、怪我を負った状況を責めあうことは無かった。
彼らは、皆それぞれが一流の腕を持っていたから。お互いに尊敬し、認め合っていたのだから。
「どうして、と訊いている」
セイレンが拘る理由は解らない。その口調に圧されてカトリーヌはあの時を思い返して目を伏せる。
1人、この場所へ乗り込んで来たのは手練の騎士だった。対峙したあの時。
『我がプロンテラ騎士団にセイレン有りと謳われた者の末路が、この場所とは…。よもや欲に塗れ金で動くなどとは』
よく見ればセイレンと同じ鎧を着ている―同胞なのだと思ったが。その騎士から出た、
『堕ちたものだ』
その言葉を拾った時。
彼女の黒目がちな双眸は限界まで開かれて、脳裏を奔った過去の一連の出来事。どうして此処に居るのか、なんて。
一言で言えやしない、侵入者に何が判るというのか……!
感情が溢れた。
気付いた時は交戦していた。相手の息の根を止めるまで攻撃を止められなかった、なんて。
「カトリーヌ」
有無を言わせない重みのある呼びかけに顔を上げると、カトリーヌの視線は銀青色のそれと正面からぶつかって、捕らえられた。
…、逃げられない…
普段のように茶化して逃げてしまいたかった、けれど。セイレンの銀と青の混じった瞳から眼を逸らすことが出来ない。
「あ…」
息苦しい沈黙。なんとか息を吐いて言葉を搾り出した。
「……侮辱…されたの…」
「カトリーヌが、か?」
「違う……」
「では、誰が?」
答えあぐねて目が泳ぐ。カトリーヌの黒曜の双眸が、濡れていた。
「…セイレン…貴方が」
「…ッ!!!」
身体中の血が沸騰しそうだった。よりにもよって、自分の過去の柵が、彼女を傷付けていたとは…!
セイレンは歯を噛み締め、小さく震えていた。
そんな彼の姿を見てしばし逡巡し。
カトリーヌは両腕を持ち上げて細い指でそっと、苦痛を噛み潰している騎士の両頬を包み込んだ。
「…カトリーヌ」
目の前の女性の柔らかな指の感覚が、セイレンを現実へ引き戻す。
「…自分を…責めないで…私は、大丈夫だから…」
何を感じたのか、彼の銀青色の瞳から一筋の涙が零れ落ちた。
透明な粒が頬を滑り落ちていくのを見て、ごく自然に、泣いた幼子をあやす様に、カトリーヌは彼を胸に抱く。
身じろぎもせず声を殺して、セイレンは泣いていた。
泣き止むまでカトリーヌはそのまま、抱き続けていた。








セイレン×カトリーヌのお話。ってまだ掛け算まで行かないっすねー…。
しかも無駄長いです。
そして板の空気嫁なくてごめんなさい!セニア、マジごめん!!!

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