生体研究所――

 かつて神に挑んだ男達の野望と欲望(一部煩悩)の集大成の成れの果て、いまや本来の目的を失った狂える自動殺人システムが、歪ながらも理路整然とした秩序を作り出した、現代最後の魔境――。

 その第二層、人型をした高性能殺人システムが複数存在する暗がりで、彼は窮地に立たされていた。


「まずいぞラウレル、胸が重い」
「ンなもん知るかだから寄せるなくっつけるな俺に押し付けるなーーー!!?」

 魔術師ラウレル、人生の危機である。傍目にはちょっと小柄な男アーチャーに寄りかかられているだけなのだが。

「大体テメーん所は姉妹そろって貧乳じゃなかったのか! 重いとかセシルさんに聞かれてみろ、射殺されるぞ…!?」
「いやー、鍛えてあるから胸に脂肪は行かないと思ったんだがなーー。まさに人体の神秘!!」
「いやそこで堂々と胸張るな!」
「んー? 見たいのか? やはり布越しでは満足できんのかこの○○○○(不適切な表現により削除されました)で巨乳に人生を捧げたラウレル君は?」
「やーめーーーろーーーーッ!!! 女の子がそんな言葉を口にするんじゃねぇぇぇぇ!??」

 うーむまいった本当に重いぞこれでは走れんと、服の上からもよもよと自分の水桃二つを動かす友人が直視できない魔術師16歳(推定)。下から持ち上げる様が柔らかそうだとか、もっかして挟めるんじゃね? いやなにって弓が。断じて弓だ決して俺に関連するアレとかソレじゃないとか、いろいろと胸を使ったアレやコレが脳内を駆け巡る。しっかり直視してるんじゃねーか。

「お前に女とバレて以来、急速にでっかくなってきたからな… さすが巨乳同盟を結んだ同志。大きくする相手を選ばぬとは、このカヴァク、相手を甘く見ていたようだ」
「俺は何もしてねぇぇぇ!? つかお前ノーブラかよ!」
「うむ、今までは形崩れも恐れぬ平板板だったからな! ここ数日で弓を引くのに気を使うほど大きくなるとは、巨乳好きとしてうれしい限りだ。よかったなラウレル」

 うれしいけどうれしくねぇぇぇ、と仰け反る魔術師16歳(推定)。女性ホルモンが過剰分泌でもされたのかー? と今度はシャツの中に手を突っ込んでいるアーチャーがもう直視できないシャツの裾が捲れあがって、よく見るとトリスもびっくりの理想的なウェストラインが目の前に広がり、腰で止めたデニムから下着が少し見えるのに気付いて目をそらし――

「…おい、まさかと思うが」
「どこを見て喋ってるんだ変体魔術師。胸に飽き足らず今度は腰かこのパーツフェチめ。腰に●●●●(わーっbyセシル)を△△△△(姫ー!!byエレメス)したいとはいい趣味だ承認するぞ」
「どこからそこまで発展できるのか激しく疑問だがンなこたよりも! 女の子が男物の下着つけても意味ねぇぇぇぇ!!!??」
「…そうなのか?」
「女の子が俺に聞くなよ!?」

 いや、ほんとの所、パンツだってちゃんとサイズ合わせないとお尻の形が崩れるので、気を使うものなのです。あんまり際どいのをいつも履いてると、いざと言う時大恥ですわよ? とは3Fのとっても際どいスリットスカート愛好者の談。

「ふむ… 今まではトランクス一本だったしな…。男物の下着はさすがにマニアックすぎるのか?」
「マニアックとかそう言う問題じゃなくてだな!? だからそこで腰を動かすな裾を元に戻せ!  あーー、ぇーーー、なんつーか」
「俺が女物の下着を着た姿が見たいと」
「そうそう、その方が安心…。じゃねぇぇぇぇ!?」
「OK 判った。本来ならノーブラ乳揺れで世の視線を釘付けにする予定だったのだが、ここは他ならぬ同士の頼みだ。同士の願いを叶えてこその友情だからな!」
「自信満々にサムズアップしてないでとっととセニアにでも借りて来いっ!」
「おぅ、後でしっかりお披露目するから部屋でワクテカしながらまってろよっ! ただしフレイングで××××(ノビたーん!byセイレン)は禁止だからなっ!」
「しねぇよっ!?」

 HAHAHA,よーしお姉ちゃん見栄張ってアルマのブラ借りちゃうぞーー? と女性部屋へ突撃する相棒を傍目に、疲れた…とorzな魔術師16歳(推定)。

 だが、次の瞬間彼の脳裏には、彼に劣らずのおっぱい星人で毎晩P2P、海外、アングラと手段を選ばずに巨乳画像(動画も含む)を収集し続ける求道者ラウレルが、両手をわきわきさせながらアルマの生乳に迫る画像が再生されてしまった。検索ワードは【カヴァク女性化 アルマ 胸】である。

(以下はあくまでラウレルの想像です)

「なにぃぃぃぃ!? Eカプーと言う俺の目算が狂っていただとぉぉぉ!?」
「それは半年前の私。今の私は◎(お腹すいた…byiヌ)カプーのアンダー■■(アッーbyハワード)cmよ! もうマーガレッタさんにも負けないわ!」
「くっ… 俺がつけても案の定緩い… 嫉ましいその乳が! いや決して羨ましいとかではなく!!」
「でもなかなかウェストが絞られないのよね… その箱根の峠も真っ青なライン取りが憎い…!」
「この乳をしてどの口が言うかーー!!」
「きゃっ!? や、ちょっ…… はぁん、揉んじゃぁダメぇ…っ」

(以上はあくまでラウレルの想像です)

「だぁぁぁぁっっ!! 何を考えてんだ俺はぁぁぁぁぁっっ!!??」

 ガンガンと壁に頭を叩き付けて煩悩を振り払おうにも、若い脳みそはピンク色からなかなか元に戻らない。煩悩退散煩悩退散、俺はクールでメタル系なラウレルなんだ。決して直結とかロリとかアッーじゃねぇぇぇぇ! と何気に失礼な事を口走りながら、頭から血をだくだくと流す様は中々にシュール。

 だが女達の饗宴はとまらない、むしろこれからが本番なのだ…!

(以下はまたしてもラウレルの妄想です)

「やぁん、カヴァクだって普段は男の格好してるのに、こんな綺麗な体なんて卑怯だよ?」
「やぅっ!? ちょ、尻触るなっ! 俺はハワードさんに掘られる趣味はねぇぇぇ!?」
「大丈夫、お兄ちゃんは女の子には興味ないから。でもマーガレッタさんにバレたら大変だねー?」
「どっちもいやだーー!! 俺はノーマル! 普通ので十分だから!?」
「ほらほらーー、手がおろそかだと私は攻めちゃうよー?」
「やぁんっ!? そこ… なんかビリッてきた…」

(教育上不適切な場面となります。終わるまで子猫達がじゃれあう場面をお楽しみ下さい)

(以上は(ry )

「だぁぁぁぁっ!! とまれ、とまれ俺の脳味噌!! これ以上はやめろぉぉぉぉ!!!??」

 鉄骨が曲がるほどのヘッドクラッシュを連打してなお止まらぬラウレルの妄想。つかお前頑丈だな。騎士になれよ。

「だが、そんなラウレルの妄想は留まる事を知らず、ついにはベッドに敷かれた純白のシーツの上で、二匹の雌が絡みあい…」
「ダメだぁぁっ! 俺は仲間をそんな目で見る男じゃねぇぇぇぇっ!!??」
「初めはぴったりと閉じられていたカヴァクの足も、度重なるアルマの☆☆(あら美味しそうbyマーガレッタ)により、ついには力を失い…」
「畜生ッ! こうなったらジェミニ夫婦に頼んで止めてもらうしかッ……!! …ん?」
「胸を隠す僅かな布もいつの間にやら剥ぎ取られ、懇願を込め潤んだ瞳はアルマの嗜虐心をますます…」
「…サイト」


 ぽんっ


「…ぁ」
「…なにやってるんだトリス」
「なにって… 若い青少年の迸るピンク色で甘酸っぱいピュアな心を代弁?」
「お、お、おまえは…… お前って奴はハイドしてまで…!!」
「うーん、見つかっちゃったし今日はここまでで。ラウレル可愛かったよーー!(フェードアウト」

バックステップ! バックステップ! バックステップ! バックステップ! バックステップ!

「待ちやがれぇぇぇぇっ!!! SSSSSSSSSSSSSSS!!!」


 その後、平穏無事にアルマから小さいサイズの下着一式を入手したカヴァクにより、若い青少年の迸るピンク色で甘酸っぱいピュアな心が、またも止まらない心臓になってしまうのは別の話。

(続かない)
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送