生体工学研究所二階

イグニゼム=セニアは冷たい通路に座り込んでいた。
「やはり…私は未熟すぎる…」
侵入者を撃退したはいいものの、体力を使い切ってしまい身動きすらとれないなんて。
ふぅ…と小さくため息をつき仲間の誰かが通りかかってくれるのを待った。
くきゅるるるる…と情けない音が通路に響く。

「聞かれてない、よね…」
「…おい」
「っ!?ラウレルいつからそこに!」
「あ?今来たばかりだ、それがどうかしたか?」
赤毛の魔道士ラウレル=ヴィンダーは不服そうに眉根を寄せた。
「で、どうしたんだよそんなところで座り込んで…怪我でもしたのならイレンドの奴を呼んでくるぞ?」
「え、いえ、その違うんです」
少しだけ顔を赤らめたセニアは右手を顔の前でぶんぶんと振る。
それと同時にぐぅぅぅぅ…という音が静かな通路に響き渡り、数秒間の沈黙。
ぼふん、とセニアの顔が茹でたタコのように真っ赤になる。
「なんだ、腹が減ってただけかよ…」
ラウレルは仕方ねぇなぁ、とぼやきながらマントの奥を探る。

「これ食うか?」
差し出されたのは彼の顔一つ分かそれ以上の大きさのメロンパンだった。
「でも…」
「いいから食え!遠慮なんかするんじゃねーよバカ!」
そう言って無理やりメロンパンを押し付けた。
「あ、ありがとう…」
「べっ…別に礼なんていいんだよ!」
少しだけ顔を赤らめて少し離れたところに座ったラウレルは再びマントの奥を探り、今度はクリームパンを出した
これも彼の顔一つ分はありそうな大きさだった。
彼のマントの中身はどうなっているのだろうか、とセニアは疑問に思ったが食べている途中に喋るのは行儀が悪いのでやめた。
これといった会話も無く、ただ黙々と食べ続ける。だがつまらないとは思わなかった。
そんな、いつもと少し違う和やかな昼下がりのことだった。


その頃の三階
セイレン「…っ!?」
エレメス「どうしたでござるか、変な顔をして」
セイレン「セニアに悪い虫がついた気がする!ちょっと二階に…」
エレメス「自重しろでござるwww」
セイレン「えぇい、離せ!俺は行くんだ!!セニアぁあ!!」
カトリーヌ「…とめる?」
マーガレッタ「やっておしまい♪」
カトリーヌ「あらほらさっさー」(フロストダイバー詠唱開始
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