「…うー…ん・・」
間の抜けた声を漏らしながら、いつもより少し遅く目覚めたのは、カトリーヌ=ケイロンだ。
「…おなかへった」
他に人がいても聞き取れないのではないか。それほどの小声で言った。
そして時間を確認して 「…!」 少し驚いたように起き上がり、いつもの服装に着替え始める。
朝食の用意もほとんどすんでいるテーブルには5人の姿がある。
「む、カトリーヌが来ていないな」
セイレン=ウィンザーが呟いた。確かに、6人分席があるテーブルの1席、カトリーヌ=ケイロンの席が空いている。
「ご飯時にいないとは珍しいでござるな。先にいただいてしまうでござるか?」
「いや、全員揃うまで待つべきだ。というわけでエレメス、や ら な い か ?」
「ちょwwwまつでござるよハワードww…やめtアッー!」
「ハワードの言うとおりだ。全員揃うまで待とうじゃないか。」
真面目なセイレンらしい発言だ。そしてハワード=アルトアイゼンとエレメス=ガイルのやりとりは完全に無視しているあたり、慣れというものを感じる。
「えー、なんでわざわざ待ってないといけないのよ!来てないのが悪いんでしょ!!」
セシル=ディモンが叫ぶ。空腹でいつもよりもキレやすくなっているのだろうか。
「あら、それならセシル、あなたが呼んでくればいいのでは?それとも一緒に行きましょうか?ふふふ」
「遠慮しとくわ…。」
マーガレッタ=ソリンの意図が読み取れたのか、セシルは急におとなしくなった。
「それにしても、本当に遅いですわねぇ…様子を見てきましょうか?」
「…あぁ、お願いしようか。」
少しためらった後、セイレンはマーガレッタを向かわせることにした。
「ハァ、ハァ…急が…ないと」
息を切らしながら、カトリーヌは走っている。そして角を曲がったところで、
「…ぁぅ」
「きゃっ」
カトリーヌは見慣れた赤い服の女性とぶつかった。マーガレッタだ。
「いたた…どなたか存じませんが大丈夫かしら?…あら、カトリーヌ。」
マーガレッタは、ふっ飛んだ相手がカトリーヌであることを確認した。
「…ぁ、おはようマーガレッタ……ご飯は?」
「あらあら、いきなりご飯のことからですか。まったくカトリーヌったら。大丈夫、全員揃うまで食べないように言っておいたわ^^」
いつもの笑顔で言う。揃うまで食べないように言ったのはセイレンだった気がするが。そもそもはハワードだった気がするが…
「そう…ありがと…。」
「いいぇ、可愛いカトリーヌのためですもの。」(ぁー、このまま私の部屋に…!)
「じゃあ…行こ?」
「そ・の・ま・え・にっ。私のお願い一つだけ聞いてくれないかしら?」
「…ぃゃ」
「あらあら、そんなこと言っていいのかしら?誰のおかげでご飯が食べられるのかしらねー?」
「…!……わかった…」
「…おはよ」
「おはよう。寝坊とは珍しいな。」
「おはよう!今日は遅かったな。夜更かしでもしてたのか?」
「おはようでござるw危うく先に食べてしまうところでござったよww」
「遅いわよ!もうっ。…おはよっ。」
「さぁさぁ、皆さん。そろそろいただきませんこと?」(…あら?)
マーガレッタは、残っていた4人分の箸のうち、2人分に使われた形跡があるのを発見した。
同時に、キレイに盛ってあったおかずが少しくずれているのを見つけた。
カトリーヌの頭に「子犬のヘアバンド」がのっているのは、誰も突っ込まないようだ。
「もぐもぐもぐ…おかわり……もぐもぐもぐ…」
「ふぅ、食った食った、でござるよww」
「そうだな。よし、食後の運動だ、エレメース!」
「ちょwwさっき散々…アッー!」
「このくらいにしとかないと…はっ、誰のお腹が出っ張るのよっ!」
「いたっww拙者は何も言ってないでござるよwwww」
「腹が減っては、とは言うが、食べすぎても動けないからな。」
「あらー、皆さんいつもより少食じゃないかしら?」
「ギクッ」*4
「もぐもぐもぐ…おかわり…。…??」
「…今日はもうないみたいね?ね??」
「…そうでござるなwもう無いようでござるよwww」
「…今日の当番……ハワード」
「…………すまん、俺は止めたんだがな…なぁ、セイレン?」
「あ、あぁ、私もハワードもちゃんと止めたぞ?だが2人が…その、なぁエレメス?」
「拙者にまわされても困るでござるよwww確かに少しは…そもそもセシル殿が…」
「なんでアタシなのよ!…そう、そうよ!遅くなったカトリーヌが悪いんじゃないの!」
「…食べちゃった、の……?」
「あらあら、セシルったら。でもこれはいけないわねぇ…あとで私の部屋でお説教ね。」
「そんなぁ〜…ん、カトリーヌ…?」
カトリーヌは体から青いオーラを発している。
「な…お、落ち着けカトリーヌ!」
「あー、ほら、昼飯はもっと大量に作ってやるから、な?」
「落ち着くでござるよカトリーヌ殿ww拙者も謝るでござるからwww」
「ほら、ハワードもああ言ってるし、昼ご飯まで待ちましょう?ね?」
「こらこらセシル、あなたもちゃんと謝りなさいな?」
「う…わ、わかったわよ!その…ごめんね?だからね、機嫌なおして?」
「…我が胸に秘められし凍てつく心、其の心、今こそここに解き放て…ストーム」
「みんな…すぐにここから離れろっ!」
「ガスト…」
カトリーヌの暴走は昼ご飯の時間まで続いたそうな。
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